5月
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Posted on 17-05-2011
Filed Under (未分類) by toda

3月11日の大震災以来、新聞を捨てられないでいる。普段は半月ごとくらいに古紙収集日に捨てていたのだが、地震以来ずっと捨てないで取ってある。大地震・巨大津波・原発事故の記事、被災者たちの苦悩の日々の記事が連日掲載されてきた。

新聞には出来事の記事だけではなく意見やデータや批評も載る。それだけでなく広告やマンガや読者の投書欄も、すべての紙面の記事が「日付けのついた」継続性をもっている。資料としての価値は非常に高いが、役立つ、というのともちょっと違う。

でも、2ヶ月間以上の朝刊、夕刊の分量は相当のものだ。宅配してもらう1紙だけだし、他の新聞や雑誌も読むのだから、捨てないでおくことに、それ程こだわっている訳でもないが、捨てられないでいる。紙面の意外なところに啓発されたり心を動かされたりする。

大震災以来、たびたび深い想いに駆られるのは読者の投稿が載る俳壇歌壇の欄だ。 5月16日の「歌壇」にこういう投稿歌があった。

いなさ吹けば放射線量増すという真野の萱原夏は来向かう (若宮安子朝日歌壇)

歌人高野公彦さんが この歌は万葉集の「みちのくの真野の萱原遠けれども面影にして見ゆというものを」を踏まえた作だという解説を書いておられる。いなさは南東の風。真野とは現在の福島県南相馬市のことだという。高野さんの解説の文章はこれだけではなく、地名の持つ歴史を語って、ぼくは深く感動したが、この投稿歌を読むことによって、ぼくらは福島県浜通り地方の人びとの無念を自分の中に共有することができるのではないか。たぶん、それが歌の力だ、と思う。

ところで、今後しばらく(時々だろうけど)「東京の好きな風景」という写真のシリーズを掲載します。特別な場所や有名な風景はでてきません、東京でぼくの気にいっている場所の景色。で、最初はこれです。

阿佐ヶ谷南の中杉通り 欅並木