3月
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Posted on 10-03-2011
Filed Under (未分類) by toda

先週の週末、箱根へ行った。・・・ぼくの日記はいつも数日前のことだ。

箱根に行ったのはポーラ美術館で開催中の「アンリ・ルソー展」を見るため。春のような明るい日差しの森の斜面に建つガラス張りの美術館には思いのほか人が沢山来ている。展覧会では、誰の絵にも似ていないアンリ・ルソーの絵を沢山見られたことに満足したが、他にも予想外の収穫がふたつあった。

ポーラ美術館のガラス張りのエントランス

収穫というのも変だが、展覧会ではアンリ・ルソーの影響を受けたといわれる画家たちの作品もいろいろ展示されていて、その中の岡鹿之助もある。岡鹿之助の絵が展示されているのは知っていて、今回のぼくの目的の一部はその絵を見ることでもあったのだが、一緒に見ていた小学6年の男の子(ぼくの孫だが)が、たぶん始めてみる岡鹿之助の絵、なかでも『村の発電所』をとても気に入ったという。それには少し驚いた。「雰囲気がよくわかって、すごくいい」そうだ。

もうひとつは展覧会場でジョルジュ・メリエスの映画『月世界旅行』を上映していて、その映像の画質がかなりいいもので、しかも旅行団が地球に帰還した後の祝賀会や表彰式のシーンがあったことだ。映画100年を記念して日本で発売されたビデオやその後出たDVDなどではラストシーンが欠けていて、月世界から返ってきた宇宙船が船に曳航されて港に着くところで終わっている。2002年にニューヨークで発売された『THE MOVIES BEGIN A Treasury of Early Cinema~1894-1913』というDVDーBOXに入っている『月世界旅行』も同様で、地球に帰還後のシーンは欠落している。しかも、長さが11分45秒しかなく、今回展覧会場で上映されたものは13分あった。尤もG.サドゥールの『世界映画全史』の記述によれば、『月世界旅行』は上映時間16分だというから、ぼくはまだ完全な形でこの映画を見ていないということだ。

19世紀末から20世紀初頭の時代的な象徴としての映画だが、メリエスの作った月世界の風景はアンリ・ルソーがイマジネーションの中で描いた熱帯のジャングルの風景に少し似ていなくもない。それは植物園のオーランジェリーなどの温室に集められた熱帯アフリカやアジアの植物のようでもあり、その時代のヨーロッパの人びとの熱帯への視線を思わずにはいられない。

むこうの山は真っ白。雪の国道1号をのろのろと下る

さて、翌朝帰ろうと思ったら、雪が降り出した。大したことないだろうとタカをくくっていたら、見る見るうちに積もりだし、朝飯が終わる頃には真冬の雪国みたいになってしまった。仕方なく車にタイヤチェーンを巻くことにした。昨日の夜、車を屋根のある地下の駐車場に移動させておいたのが幸いして、雪まみれにならずにすんだが、チェーンを付けるのが面倒なことに変りはない。

ぼくらが泊まっているのは強羅公園のちょっと上の急な斜面の中腹だから、出発したとたんに、登りも下りも急坂だらけなのだ。それでも、10センチほど積もった雪道の坂を、チェーンのおかげで難なく下り、途中、動けなくなった車を何台も見ながら1号線に出ることに成功。宮ノ下あたりで、降ってはいるものの路面の雪はなくなった。東京に帰ったらこちらも雪がちらついていたので、またびっくりの一日だった。