12月
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Posted on 29-12-2018
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きょうは12月29日、2018年が終わろうとしている。今年は明治維新から150年にあたるというので、明治、大正、昭和の歴史が少しは話題になったり、文明開化や富国強兵や昭和の戦争、植民地主義やアジアへの侵略の歴史が語られたりはしたが、それほど大きな話題にはならなかった。筆者自身も日本の近現代史に関心がない訳ではないが、明治維新150年といわれてもピンと来るものは希薄だ。むしろ戦後史73年の方が身近な歴史だと感じる。平成の30年間(来年その平成が終わるというのだが)などは、“酷い国になったものだ・・・”という実感のみで、まともに歴史として語りたくもないというのが本当のところだ。

11月のある日、JR総武線に乗って千葉まで行き、千葉市美術館で「1968年激動の時代の芸術展」を見た。そう、1968年からちょうど50年が過ぎたのだ。千葉の市街を歩くのは初めてではないが、それこそ何十年ぶりのことで、地方都市らしいスケールや少し野暮ったい感じの雰囲気に満ちた街路がやや新鮮・・・。

さて、その展覧会だが、50年前の1968年は世界中が揺れ動いた年だった。歴史の変わり目だったという人も多い。世界中で新しい価値観に根ざした運動が激化し、社会が大きく変容したときでもあった。文化も芸術も大きな変化の中で動いた。この展覧会は1968年を中心とした日本における文化芸術の激しい動きの全体像を捉えて、網羅的なスケールで示した画期的なものだった。美術展としてはユニークな視点で統一されていて、社会の変貌と芸術表現の活力が渾然としたものとして示されていた。

「1968年激動の時代の芸術」展チケットのデザイン

1968年といえば、筆者は20代後半で東京に住んでいたから、ここに展示されている諸々はほぼすべて当時リアルタイムで見てきた。知り合いの人物の作品なども展示されていて、そういう意味でのヒイキ目があるのはやむおえないが、美術もデザインも映画も演劇も舞踏も漫画も、アングラもサイケも万博も反博も、どれも代表的な作品やアクションが集められていて、そのインパクトはなかなかのものだった。赤瀬川原平の「千円札裁判」に関連した品々の展示や解説、雑誌やパンフレット、また「美術家共闘会議」が発行していたガリバン刷りのビラやチラシの数々など、いわゆる美術展では見ることのできない「情報」や「ブツ」が展示されているのも刺激的で、納得のいくものだった。

50年前のこの国はたしかにビビットな躍動感に満ちた結構スリリングな世界だったと思わせるのだった。まもなく終わろうとしている2018年は“1968年から50年目の年として記憶されるだろう。