6月
08
Posted on 08-06-2014
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5月、6月は2度信州に行った。5月は連休明けの9日から12日まで。6月は1日から4日まで。なぜそんなに頻繁に信州か、といえば理由ははっきりしていて、ヒメギフチョウの「観察」が目的なのです。

ヒメギフチョウは春先のちょっとの間しか見られないし、何処にでもいるという蝶ではないので、その観察や採集には時期や場所が特定されてしまう。信州の生息地ではだいたい5月の連休の前後、場所によっては4月末、どの地域でもサクラの花の時期とこの蝶の出現が一致している。

連休明けではちょっと遅いのだが、連休中は避けて5月10日に、毎年行く信州某所のヒメギフチョウ生息地に行った。実は、僕たちはこの2年ほど、この場所でヒメギフチョウを見ていない。こいつの生態、1年間の生活史はほぼ解明されているのだが、たくさん発生した次の年にまったく現れなかったりして、完全には判っていない。もともと生息地が限定されているうえに、個体数も少ない種類だから、この場所は放棄されたかと心配していた。

ところが、今年は何年ぶりかで蝶が幾つも飛んでいるのに出会えた。明るい落葉樹林をヒラヒラと舞っている。下草の中にこの蝶の幼虫の食草ウスバサイシンの群落があり、葉を裏返して捜すと既に産みつけられた卵がある葉がたくさん見つかった。僕は蝶の採集はしない。網に入れることはあるが、見てから放してやる。写真は撮るけど。蝶が舞い、卵のついたウスバサイシンの葉裏を確認するだけ。下の写真がヒメギフチョウの卵群のあるウスバサイシンの葉だ。

2014年5月10日長野県大町市山中

2014年5月09日長野県茅野市山中

 

 

 

 

 

 

5月に確認した卵がその後、無事幼虫になったかを確認するために6月はじめにもう一度信州に行く。僕は卵から飼育した経験があるので、だいたい、2~3週間ぐらいで孵化するのは知っている。写真は卵の写真と同じ場所のものだ。ちゃんと幼虫になっていた。

ヒメギフチョウの幼虫というけど、つまり真っ黒い毛虫がうじゃうじゃ なのだ

 幼虫は初令、2令ぐらいまでは写真のように1箇所にかたまっているけど、大きくなると単独で葉を食って大きくなる。食草のウスバサイシンがたくさんある場所ならいいけど、彼らが大きく育ってさなぎになるまで養えるほど食草があるかどうかが問題。これはこの蝶にとって死活問題です。ウスバサイシンは林の中にあちこちに点々という感じで生えているけど、さなぎ直前の幼虫の食欲もすごい。

食草を求めて、この黒い毛虫が林の中の草むらをあちこち歩き回るのだろう。うまくウスバサイシンの株を見付けられればいいけど、あえなく餓死するやつも多いだろう。

で、すべての幼虫が育ってぶじさなぎになれるかどうかは判らない。判らないというより、たぶん無理だろうと思われる。運のいいヤツだけが7月に蛹化して、林の中の枯葉の下で夏、秋、冬をすごし、来年の春蝶に羽化するのだが、幼虫が単独生活になった後は、もう自然界で幼虫やさなぎを発見することは不可能だろう。来年の春のお楽しみなのだ。