11月
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Posted on 18-11-2013
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岩波書店の書評誌『図書』に連載していた伊藤比呂美さんの「木霊草霊」が今月号にて終了した。愛読していたのですこし残念。

『図書』では伊藤比呂美さんのほかに、池澤夏樹さんの「詩のなぐさめ」と赤川次郎さん「三毛猫ホームズの遠眼鏡」、それに隔月掲載の佐伯泰英さん「惜櫟荘の四季」を読む。他を読まない訳ではないが、この4つはたいてい読んでいる。佐伯さんのエッセイとは惜櫟荘の修復レポート以来のお付き合いだし、池澤さんの表現についての意見や赤川さんの世の中の諸々についての感想には共感することが多い。

伊藤比呂美さんはアメリカと熊本とを行き来し、その間、植物のことを書き続けてきた。最終回はセイタカアワダチソウのこと。アメリカでミシガン州に旅行して、そこに自生するセイタカアワダチソウを見たことが書かれている。この植物は日本ではみんなが知っているように、アメリカから渡って来た帰化植物だが、伊藤さんが住んでいるカリフォルニアにはないという。

伊藤さんの文章のなかにセイタカアワダチソウとアキノキリンソウの区別についてのあれこれを書いた部分がある。伊藤さんはむかしある本(たぶん歳時記だという)でセイタカアワダチソウ、別名アキノキリンソウという記述を読み、その後調べて真相を知ったという。以下、伊藤さんの記述を引用。

「セイタカアワダチソウはキク科アキノキリンソウ属の植物である。アキノキリンソウ属のアキノキリンソウという植物も別にある。セイタカアワダチソウは帰化植物だが、アキノキリンソウは在来だ。ともに秋になると黄色い花が路傍に咲き群れる」

外国から渡来した帰化植物でも日本に在来の植物とごく近い種に属するヤツもあるということらしい。相撲の白鵬や旭天鵬を見ていると、もともと日本人で、もともと相撲取りだったかのかと見まがうけど、セイタカアワダチソウ談義に通じるものがあって面白い。

ついこの間、信州蓼科に行った。ちょうど日本中が今年イチバンの寒波に見舞われた時で、標高1300メートルの高地は冷え込んで雪もちらついた。まっ黄色になったカラマツの小さな葉が散って飛び交い、まるで雪が舞うように見える。

下はこの記事の『図書』とも帰化植物とも関係がないが、路傍で見た霜柱の写真。

子どもの頃は東京でも、寒い朝には霜柱がよくできた。踏んずけるのが楽しみだった。