3月
08
Posted on 08-03-2013
Filed Under (未分類) by toda

皇居東御苑は一般公開されている皇居内の公園だが、そのいちばん東側、パレスホテルの前の大手門から入ったところに宮内庁三の丸尚蔵館がある。宮内庁所蔵の美術品や歴史的な資料の展示をすることがある。何時だったか、伊藤若冲の絵の展覧会を見たことがある。若沖のいいものは宮内庁がたくさん所蔵しているのだという。

その三の丸尚蔵館で「明治十二年明治天皇御下命『人物写真帖』」なる展示が開かれていたので、見に行った。明治天皇の命を受けて、明治12年に皇族15人を含む、諸官省の高等官や主だった軍人など4531人の肖像写真を集めた写真帖が作られたという。何のために作ったのかは、よく分からないが、とても一人では持てない程重そうな、分厚い写真帖が展示されていて、こういうのを39冊作ったらしい。

幕末から明治にかけての、僕らも名前はよく知っている歴史上の人物の写真もたくさんある。明治天皇は、あの有名な御真影も実はイタリア人の画家キョソーネが描いた絵を写真にしたもので、写真を撮られるのがキライだったというけど、やっぱり近代国家日本を代表する人物たちを写真に撮り、冊子にまとめておきたかったのだろうか。

明治12年といえば、西暦1879年だから、写真術もかなり進んだものになっていたはずだ。日本にもかなりの写真師、あるいは写真館が存在していただろう。しかし、鶏卵紙にプリントされた明治の元勲たちの肖像写真は古びているのは当然としても、写真としては構図的にも人物の表情もそれほどいいものではない。天皇の御下命だというので、大蔵省印刷局が1年間で作ったというから、急ピッチで進められた、やや拙速の仕事だったのかもしれない。というようなことも含めて、この写真帖、あるいは写真自体が僕には実に興味深いものだった。

僕らの知っている(名前を、だが)人物が皆若いので驚く。東郷平八郎海軍少佐、34歳、乃木希典陸軍中佐、32歳、板垣退助正四位、44歳・・・。さすがに勝安芳(海舟)は58歳、岩倉具視56歳で、ちょっと世代が上だ。もっとも、当時40歳代の人物の写真を見ると何となく老境という感じにも見えるから、現在とは違うけど。

まぁ、ここに写真が残されている人たちが、この後何をしたのか、が日本の近現代史だということになる。

閑話休題。

ルッコラというのはイタリア料理のサラダなんかに使う野菜のひとつだが、それを植木鉢に植えて、窓際に置いておいたら、小さな十字架花がたくさん咲いた。よく見るとなかなかデザイン的に優れものだ。

ルッコラの花