12月
08

今年はレモンが黄色くなるのがいつもの年より少し早いような気がする。秋の天候とか気温の違いかもしれない。急に寒くなったせいだろうか。うっすらと黄ばんでいるように見える。いつもは正月ごろ色が付き始めるのだが。

黄色いといってもこの程度。気のせいかもしれない

しかし、きょうの日記はレモンのことではなく『さなぎ』という映画のこと。

三浦淳子さんのドキュメンタリー映画『さなぎ~学校に行きたくない』を見た。三浦監督は僕の友人鈴木志郎康さんの多摩美の教え子で、鈴木さんからこの映画のことを紹介された。『さなぎ』はとても面白かった。

小学校1年の時から学校に行くのがイヤだった少女を、3年生頃から大学卒業頃までずっと撮り続けた映画だ。長野県の田舎の村で暮らしている少女だ。はじめは教室に入ると「頭に棒が刺さっている」ような感じで頭が痛くなり、学校に行けない日々が続いたそうだ。ずっと撮っているうちに、だんだん普通に学校に行けるようになっていた。6年生の時は生徒会長になったりしている。

映画には少女の家族、お母さんやおじいさん、おばあさんや兄弟も出てくるが、多くのシーンは近所の仲良しの友達とあそんでいる場面だ。その遊んでいる場面がどれも素晴らしい。見ていて思わず笑ってしまうような雰囲気がとてもいい。いつまでも遊んでいる。少女が段々に成長していく様子がわかる。

不登校問題をテーマにしたという風な説明をしても、この映画のことを語ることにはならない。この映画は問題を指摘したり、解決の道を考えたりはしない。ただ、学校に行きたくなかった女の子がだんだんに学校に行くようになったのを描いているだけ。家族との会話や仲良しの友達と遊んでいるのをずっと写しているだけなのだ。

成長して大学を卒業する頃になって、彼女は自分のことをカメラに向かって語れるようになっていた。家族のやさしさや親しい友達やまわりの環境や学校など、どれも少女の成長によい影響があったのだろうが、僕には十年以上もビデオカメラで写されていたことが、よかったのだと思える。被写体となる人物にとって、写されたことが「よかった」といえることはドキュメンタリー映画にとっても、いいことだろう。