1月
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Posted on 28-01-2012
Filed Under (未分類) by toda

1月になってからのニュースで、印象的というか、いろいろ考えさせられたのはイーストマン・コダック社の倒産の報道だった。だいぶ前から、映画の関係者の間ではコダックの株価の限りなくゼロに近い状況が噂されていたけど、とうとう倒産、日本式にいえば会社更生法が適用されたそうだ。

デジタル化という社会の変化に遅れをとったというが、フィルム事業にこだわりすぎたのかもしれない。フィルム技術関連のたくさんの特許の売却を図ったがうまくいかなかったとも聞いた。一方、わがフジフィルムはフィルムの技術を活用して写真や映画用のフィルム以外のもの(例えば液晶パネルの保護膜とか)を開発してデジタル時代に対処し、成功した。フジでもフィルムは既に主力製品ではないという。映画史を学んできたものとしては、少しばかりの感慨もある。なにしろ、コダックの名前はエジソンとともに映画史の最初のページに登場する。最初の映画シネマトグラフ・リュミエールも、コダック社のセルロイド製の17メートルのロール、パーフォレーションつきの映画用フィルムで撮影されたのだ。下の写真はリヨンのリュミエール博物館の庭に保存されている、最初の映画『工場の出口』が撮影された場所で写したもの。半透明のスクリーンに工場の出口の一場面がプリントされていて、その後ろに立つと(立っているのは僕だが)、工場の出口の登場人物のように・・・見えないか。

ぼくも現役のカメラマン時代は黄色のパッケージのコダックのフィルムで仕事をしたものだ。もちろんフジフィルムも使ったけど、海外での仕事などではやはりコダックを使った。しかし、テレビの取材のビデオ化→映像分野でのデジタル化という流れの中で、いまや写真を撮るのもデジカメで、フィルムカメラは“敢えて”使う時だけになった。映画自体もフィルムで撮る代わりにデジタルデータで記録するものが増えた。

さらに、映画館がデジタル化している。これも先日の新聞記事だが、全国の映画館で、デジタル上映への移行が進み、大手のシネコンではほぼ今年中にフィルム映写機をすべて撤去するという。いろいろ複雑な事情が絡んでいるのだろうが、とにかく近いうちに映画というものは映写機にフィルムを掛けて上映するものではなくなるのだ。

デジタル上映のための設備に1千万円かかるという。ムリなのだ。独立系の小さな映画館では、設備の導入か閉館かの選択を迫られている。ひどいことになっているけど本当の話だ。デジタル化できずに閉館する映画館は50館かそれ以上という予測も紹介されている。映画の製作、上映、公開の全過程からフィルムがなくなるなどという、信じがたい日が来るのだろうか。