9月
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Posted on 30-09-2011
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きょう練馬区の武蔵大学構内でアカボシゴマダラがひらひら飛んでいるのを発見。またか!とびっくりした。蝶好きの間ではかなり知られているのだが、この蝶は日本では奄美大島だけに生息する。それが最近(といっても1990年代の終わりごろか2000年ごろだから、かなり以前だ)になって神奈川県藤澤市や鎌倉市で目撃されたり捕獲されたりし始め、東京でも、2006年ごろから同様の状態になったという。ぼくは去年の夏も、キャンパス内ではっきり目撃したし、今年も9月の始めに自分のうちの庭で見た。そういう訳で「またか!」なのだ。こうなると偶産種ではなく、誰かが人為的に飼育した個体が繁殖を繰り返しているもの(幼虫は奄美ではリュウキュウエノキだが、関東ではエノキだろう)と考えられる。ネットを検索したら、アカボシゴマダラの目撃情報ばかりか、幼虫や蛹の写真まで掲載したサイトがたくさんあって、これまたびっくりした。で、とにかくきょう撮った写真でアカボシゴマダラを見てください。しゃれた模様の美しい蝶だ。

2011年9月30日東京都練馬区で撮影

ぼくのような古い蝶マニアは奄美大島特産の蝶だと思っているから、実に変な違和感がある。ぼくはこの2年間、東京で何度も見ているにもかかわらず、である。実際、1977年に出た蝶類図鑑でも、1994年発行の図鑑でもアカボシゴマダラは奄美大島のみに産するとされている。

ネット情報では、いま東京や神奈川に生息するアカボシゴマダラは、後翅の模様の違いなどから、奄美産のものではなく中国大陸産の亜種だという。つまり、誰かが中国産の蝶を持ち込み、飼育して放ったことが想像できる。

ウーム・・・と唸って、環境省のHPの「要注意外来生物リスト・昆虫類」をみると、次のように書かれている。

「アカボシゴマダラ:ゴマダラチョウとの競合が懸念されている。Hestina assimitis shirakii が奄美大島に在来で分布するが、神奈川県などで分布を拡大中の種は国外産の亜種である。植物防疫法の基つく検疫有害動物として輸入が禁止されている種であり、国内で意図的に放蝶して野外への定着を試みる行為は、被害の予防の観点からも、厳に慎むべきである。」

その通りだが、ちょっと手遅れの感がある。もっとも、人為的な放蝶はアカボシゴマダラだけではなく、1978年以降東京に定着、生息しているホソオチョウというジャコウアゲハの近接種は韓国から持ち込まれたと推定されているが(東京から甲府までの中央線沿線のみに定着しているといわれる)、もう30年以上前からなのに、この蝶についての環境省の見解も、アカボシゴマダラとほぼ同じ内容だ。指摘するだけなのだ。

それはともかく、アカボシゴマダラの翅の模様はデザイン的にも見事だと思う。昆虫の模様の見事なことには、時に驚かされる。写真をもう1枚。

手のひらにも止まった!