8月
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Posted on 24-08-2011
Filed Under (未分類) by toda

子どもの頃はセミといえばアブラゼミだった。夏休みに入った7月末、それまで鳴いていたニーニーゼミに加えて、ある朝突然アブラゼミの鳴き声がファンファーレのように聞こえてくる。ニーニーゼミは姿も地味だし鳴き声もさえないから子どもには人気がなかった。アブラゼミの声とともに夏休みがほんとうに始まった。

しかし、僕らがもっともあこがれたのは、その当時の東京ではめったに聞くことが出来なかったミンミンゼミの声だった。ミンミンゼミの声が聞こえると、長い竹の棒を繋いだ蝉取り網を手にした子どもたちが、あちこちの家から表に出てきて鳴き声の主をさがしたものだった。ミンミンゼミの声はめったに聞こえなかったし、そいつを網に入れて手にするのは夢のようなことだった。なかなか姿を見せず、珍しいこともあるが、大きな体型と、なにより透き通った羽根の美しさが僕たちを魅了した。

今、東京ではミンミンゼミの声はいくらでも聞こえる。もしかするとアブラゼミよりミンミンゼミの方が多いのではないか。鳴き声がクリアーでよく目立つからかも知れないが、セミの事情は僕の子どもの頃とはすっかり変わったような気がする。今の子どもたちはセミ取りをするのだろうか・・・。

アブラゼミ

東京に限らないが、昆虫の生息地が変化しているのは事実のようだ。ミンミンゼミの増えた理由は分からないけど、最近では東京でクマゼミの声を聞くのさえ珍しくないようだ。クマゼミは南方系の昆虫で、子どもの頃は東京にはいなかった。僕が始めてクマゼミを見たのは仕事を始めて西日本に行く機会が出来てからだ。瀬戸内の小さな島で羽化したばかりのクマゼミが1本の樹に群がっている光景を見たときのことは忘れられない。それが、今では東京にも生息しているらしい。温暖化の影響が言われるが、本当のところは分からない。

セミの写真を撮るために大学の構内の木々の間をうろうろしていたら、顔や腕を蚊に刺されてひどい目にあった。子どもの頃セミ取りをしていて、林の中をうろつき、蚊に刺された記憶などはないけど、子どもはそういうことは気にならないし、忘れてしまうのだろう。