7月
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Posted on 05-07-2011
Filed Under (未分類) by toda

新宿駅南口が今のように新しくなったのはいつの事だったか。正確には覚えていないけれど、そんなに昔のことではない。でも、南口の周りに高島屋や東急ハンズや紀伊国屋書店、映画館もある大きなビルができてから、もうずいぶん経つようにも思う。

新宿南口といえば、昔は(この、「昔」がいつの事なのか説明不能なのだが、今のようになる以前)普通の人があまり利用しない改札口だった。普通の人というのもヘンだけど、少なくとも若い女性なんかは南口を利用しなかったと思う。

南口を出ても、駅の周りの街には若い女性向きの店なんかは全くなかった。といって、何か特別なものがあるわけでもなく、さびれた飲み屋や食い物屋、成人映画専門の映画館(今もあるけど)、アダルトビデオショップ、安売りチケットの店なんかが雑然と並んでいる街だった。JRの線路の上を跨ぐ甲州街道から繁華街に下りていく階段があり、その横に公衆便所があった(駄洒落ではない)。戦後の雑然とした街の雰囲気をいつまでも残している場所だった。

 上の写真は現在の新南口の駅前。いつも若い人たちであふれている。

右は一段低くなった南口前の街並み。甲州街道の下を通るトンネルは昔のままだ。公衆便所の脇の階段は写真の右端にあって、上の道路から下の旧武蔵野館通りに下りていた。このあたりにだけ、今も僅かに昔の雰囲気を残しているような印象だ。

昭和23年に若くして亡くなった画家の松本竣介に『新宿のガード』というスケッチが残されていて、その風景は、まさにこの場所だ。上下の道路をつなぐ階段と公衆便所の屋根と思われる建造物が描かれている。ぼくはこれを洲之内徹さんのエッセイで知ったが、竣介のこのスケッチは1941年のものだそうだから、階段や公衆便所は戦前からここにあったということになる。

新宿駅南口の再開発は戦前からの街の風景を、アッという間に変貌させてしまったが、その代わりにそれまでは不可能だったカメラアングルを生み出した。下の写真がそれで、南口再開発以前はこのポジションから写真をとることはできなかった。

ぼくは鉄道マニアではないが、なぜか鉄道のレールや電車が写った写真が多い!